自慢話は嫌われるんだよ
何の脈略もなく子どもが突然言った。今日園で教わったようだ。そこでふと疑問におもった。なんで自慢話をすると嫌われるのだろうか。
ググってみた。参考までにヤフー知恵袋などを覗いてみるとマウンティングしているからだといった意見があった。私が上であなたが下よと暗に表しているということだ。なるほど、聞き手はそう感じることもあるだろう。
自慢話=不快、マウンティングか
ただ個人的には自慢話を聞いていて不快に感じたことはあまりなかった。
例えば学生の頃の記憶である。友達が自慢してくるときはにこやかな顔で気持ちよく話していたのでこちらも楽しかったと記憶している。そこに立場が上も下も感じることはなかった。
これは相手にマウンティングする意図がなかったからだという反論があるかもしれない。しかし相手の意図は図りようがない。
マウンティングする意図とはなんだろうか。私から「いいなあ、羨ましいなあ。」という言葉を引き出そうとしていたのならマウンティングなのか。いやこれは違う。実際私は「いいなあ、羨ましいなあ。」と純粋に思って発したこともあったが話が盛り上がっただけだ。
すり替え、使い方の問題
条件つきの場合がマウンティングに該当するのではないだろうか。あなたより私のほうが能力や経験が上だ(だから私に従え)という場合だ。括弧つきが伴うような自慢話を嫌だと感じるのはそのとおりだと思う。というよりこれは自慢話が本来の意味で嫌われるということにはならない。この場合に嫌われているのは括弧つきの部分だ。自慢話は括弧つきの補強に使われているだけだ。
自慢話が響かない場合
例えば書道にあまり関心のない人Aが、書道で金賞を獲った人Bから自慢されたとする。そしたらAはBにマウンティングされたと思うだろうか。
自分があまり関心のないことについて自慢されたときにマウンティングされたと思うだろうか。
「(嬉しそうな顔してるなあ)おー、よかったじゃん!」と返すのではないだろうか。
自慢話が響くものに変わる瞬間
少し趣向を変えてみよう。
クジつきの駄菓子でこちらはハズレで相手はアタリが出たとする。
「やったー!一等賞がでたー!」と相手が発したらマウンティングされたと感じるだろうか。ほとんどの人が感じないのではないだろうか。「おおーすげー!おめでとー!」みたいな感じではないだろうか。
それでは極端な例をあげるが、全財産を賭けた宝くじだったらどうだろうか。もちろんこちらはハズレで素寒貧、相手はアタリだったとする。
「やったー!一等賞がでたー!」と相手が発したらマウンティングされたと感じるだろうか。少なくとも私は感じる。だって明日の食べる物も心配しなくてはならない状況だ。それなのに隣では宝くじの一等賞が当たったと喜んでいる人がいる。私はマウンティングされていると思うだろう。
自慢話が響く響かないの境目で見えるもの
環境を変えると見えてくる。自慢話をマウンティングされた(=嫌だ)と感じるか感じないかは相手次第なのではない。自分次第なのだ。自分にとって弱点といえるところに触れられたときに嫌だと感じるのだ。自慢話はそのきっかけであっただけではないだろうか。
自慢話は悪くない
自慢話に限らず人は弱点に触られると嫌がる。もっと言うと弱点に触られるとストレスを受けるのは人に限った話ではないのかもしれないが。
話を戻して例えば弱点に触れたのが本であったならば、その本のことを否定したくなるだろう。よって本も自慢話と似たような性質を持っていることがわかる。身振り手振りも本と同様だ。つまり自慢話は単なる伝達手段の一種でありネガティブなものではないことを意味する。もちろんポジティブでもない、本来フラットなのである。
逆にいえば自慢話をされてストレスを感じたらそれが自分にとって弱点となっているところなんだと気づくことができる。そしてその弱点を克服していくにつれ不快感は減ってゆくだろう。
それでも自慢話をするのは避けるべき
ただ、せっかくここまでみてきたのにこんなことを言っては元も子もないが、それでも自慢話は一般的には嫌われる。だって現実に嫌われるだろうからしょうがない。「この自慢話を嫌だと感じるなら、それはあなたにとって弱いところだからですよ。」なんて伝えたらもっと嫌われる。弱いところをもっと突きつけているわけだから。
自慢話を聞く側になったら
ここまで書いて思ったが、マウンティングされたと感じる人が思っているよりも、自慢話をしている人はそれほど相手に意識が向いていないのではないだろうか。
わかりやすい例が子どもが靴下履けたとかご飯早く食べたとか自慢するのだろう。つまり相手に褒めてほしい認めてほしいという思いがあるだけで、相手の立ち位置を変えてやろうという意図は本来自慢話の中にないのだ。
そう考えると自慢話をされたら「おおー!」と認めることが自慢話をした人が最も気分が良くなることかもしれない。
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